沖縄地方への台風接近数は全国最多 — 2位の1.4倍
気象庁の平年値(1991〜2020年の30年平均)で見ると、 沖縄地方への台風接近数は年間7.7個。全国を13の地方に分けた中で最多である。
地方別の台風接近数(年間・平年値)
| 順位 | 地方 | 接近数 |
|---|---|---|
| 1位 | 沖縄地方 | 7.7個 |
| 2位 | 伊豆諸島、小笠原諸島 | 5.4個 |
| 3位 | 九州南部・奄美地方 | 4.3個 |
| 9位 | 関東甲信地方 | 3.3個 |
| 13位 | 北海道地方 | 1.9個 |
「接近」とは、台風の中心が気象官署から300km以内に入ったことを指す。 上陸や 被害の大きさとは別の指標で、接近すれば必ず暴風域に入るという意味でもない。
2位との差
2位の伊豆諸島・小笠原諸島との差は1.4倍。 3位の九州南部・奄美地方とは 1.8倍の差がある。北海道地方(1.9個)と比べると4倍以上になる。
沖縄地方は単独の地方区分として最多だが、気象庁は別に「本土」(本州・北海道・ 九州・四国のいずれかが基準)と「沖縄・奄美」(沖縄地方・奄美地方のいずれかが基準) という官署ベースの合算区分も出している。沖縄地方の7.7個は、この本土5.8個の1.3倍にあたる。 ただしこの2つは地方別の数値と定義が違うため、単純に並べて比べてはいけない (本土5.8個・沖縄・奄美7.9個)。
この数字でできないこと
- なぜ沖縄で接近数が多いのかは、この統計からは分からない。 台風の主な進路や 発生海域との位置関係が理由として挙げられることがあるが、この平年値の表自体は そこまで示していない。
- 塩害(建物への潮風の影響)は扱わない。 国土交通省 土木研究所などが 飛来塩分量を調査しているが、公開されている資料はスキャンPDFで機械的に読めず、 数値をこちらで確認できなかった。確認できない数字は書かない。
- 接近数が多いことと、実際の被害の大きさは別の指標である。 風速・停電時間・ 住宅被害は接近数からは出せない。
- 平年値は1991〜2020年の30年平均で、特定の年の実績ではない。 「今年は台風が多い」 の裏づけには使えない。
- 沖縄は戸建ての9割が非木造 の記事と合わせて読めるが、 非木造率が高い理由が台風対策だと、この2本のデータから証明できるわけではない。 両方とも沖縄で数字が突出しているという事実までしか言えない。
出典
- 気象庁「台風の平年値」(1991〜2020年)
「1.4倍」の倍率は、上記の平年値から当サイトで計算した派生値である。 出典の一覧と取得日は /sources/ にある。